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カテゴリページ ・脂っぽいものが大好きな方に ・ベタイン(TMG) |
ホモシステイン代謝に関係をもつ 『ベタイン』第12回の今回は、動脈硬化の危険因子の1つとして、新たに注目されているホモシステイン 代謝に関係をもつとされる 「ベタイン(TMG)」 について掘り下げていきたいと 思います。 ◆ベタインとはベタインは、ビート(テンサイ)から最初に発見さた甘みのある物質で、自然界では植物や海産物などにも広く存在する天然物質です。 ベタインは、グリシン(アミノ酸)に3つのメチル基がついた構造式をもつことから、トリメチルグリシン(TMG)又は、ベタイングリシンとも呼ばれています。 ※吸湿性が高く、水を含まない粉末を無水ベタインと呼ぶこともあります。 海産物や植物の甘みとうま味に関係している物質で、日本では調味のための添加物や、その吸湿作用から保湿剤として化粧品にも使用されています。 生体内ではコリンから代謝されて作られ、動脈硬化の危険因子であるホモシステインの代謝に関係することから、遺伝的にホモシステインの代謝がうまくできない 「ホモシステイン尿症」 患者に対しては、医薬品として用いられ、こうした遺伝的な疾患がない場合でも、循環器の健康をサポートするサプリメント成分としてもしばしば用いられています。 ◆ベタインとホモシステインでは、一体ベタインには、どのような働きがあるのでしょうか? その働きを理解するには、「ホモシステイン」 とベタインとの関係を知る必要があります。 ○ホモシステインとは ホモシステインは、肝臓で行われるアミノ酸の代謝過程で、中間体として自然に作られる物質です。 通常であれば、ホモシステインは、様々な代謝酵素の働きによってシステインやメチオニンへと代謝されますが、体質や食習慣によってはホモシステインの代謝が滞って血液中のホモシステインが過剰となります。 そして、慢性的にホモシステイン濃度が高い状態が続くことは、閉塞性動脈疾患、認知機能の低下、老年性骨粗鬆症、老眼など、加齢にともなって現れる多くの疾患の発現にも関係していることがわかってきました。 <ホモシステインの有害な作用> 1.血管内皮細胞由来の血管拡張作用を阻害 血中のホモシステインが酸化する際に生まれる過酸化水素により、血管内皮細胞がダメージを受け、NO産生ができなくなることから血管拡張が阻害される。 2.抗血栓機能を阻害 血栓を抑制する作用を持つ物質の働きを阻害し、血栓の形成を進行させる。 3.血管の肥厚と硬化を促進 コラーゲン繊維の過剰な合成や、LDLコレステロールと結合し、血管内腔でのアテローム形成を引き起こすことで血管の肥厚と硬化を促進させる。 上記のような有害な作用によって、動脈硬化、高血圧、血栓形成が進行し、高ホモシステイン血症は、重篤な疾患の原因の1つとなるのです。 その他、インビトロ試験では、血管平滑筋を増殖させ、血管平滑筋細胞から血管内皮細胞の剥離を引き起こすことも認められています。 血液中のホモシステイン濃度が10mmol/l以上になると、動脈硬化が進行し、心臓発作、脳卒中、アルツハイマー疾患のリスクが高まります。 このように、ホモシステイン濃度を低く抑えることが健全な循環器の維持に不可欠 であり、体内では次のような経路で、ホモシステインが無害な物質へと代謝されて います。 <ホモシステインの代謝> [メチオニン] <A> ← メチオニン合成酵素(ビタミンB12) ・・・(1) +(←←葉酸) ↓↑ ← BHMT(ベタイン-ホモシステインメチル基変換酵素) ・・・(2) (ベタイン) [ホモシステイン] <B> ↓ ← CBS(シスタチオンベータ合成酵素)(VB6)・・・(3) [シスタチオン] ↓ [システイン] <A.ホモシステイン→メチオニンへ> 2つの経路があり、ベタインが関わる経路では、25%のホモシステインがメチオニンへと代謝されます。 (1) ビタミンB12を補酵素とし、葉酸を基質とする経路 (2) BHMT(ベタイン-ホモシステインメチル基変換酵素)により、ホモシステインにTMGのメチル基を転移させる経路 <B.ホモシステイン→システインへ> (3) ビタミンB6を補酵素として必要とする経路 このように、ホモシステインの代謝には3つの代謝経路があり、ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6、そしてベタインがその代謝に深く関わっていることから、ホモシステイン代謝を適切に行なうために、これらの物質を十分に補うことが勧められています。 (Orv Hetil. 2001 Jul 8;142(27):1439-44.) (Nippon Rinsho. 2006 Nov;64(11):2153-8.) (J Clin Endocrinol Metab. 2004 Sep;89(9):4558-61.) (Cell Mol Life Sci. 2006 Nov;63(23):2792-2803.) ◆ベタインの摂取量ベタインは、個人によって摂取量が異なりますが、一般的な摂取目安量は 下記の通りです。 ○心疾患や卒中の予防に: 500〜1,000mg/日 ○ホモシステイン尿症: 6,000mg/日 ※葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12も一緒に摂取することが勧められています。 ◆ベタインについての研究体内に存在するベタインが持つホモシステインに対する働きは上記のとおりですが、ベタインを経口摂取した場合でも、血中のホモシステイン濃度を下げる働きがあることが研究により明らかになってきています。 ○ホモシステインに対する働き 【ベタイン摂取は、健康な男女の血中ホモシステイン濃度を低下させる。】 (J Nutr. 2003 May;133(5):1291-5.) ベタイン及び5-メチルテトラヒドロ葉酸は、それぞれが単独でホモシステインを再度メチル化できる。そこで、これらを経口摂取した場合のホモシステインに対する有効性を調べた。 1日に 「ベタイン6g」、「プラセボ6g+葉酸800mcg」、「プラセボ6g」を6週間摂取させ、その試験開始前後に、メチオニン負荷テストを行いホモシステイン濃度を調べた。 その結果、ベタイン摂取グループでは、“1.8mcg/l”、葉酸摂取グループでは“2.7mcg/l” のホモシステイン濃度低下が見られた。 また、ベタイン摂取グループでは、メチオニン負荷後のホモシステインのAUC(薬物濃度時間曲線下面積)を “221mmol” も低く抑えたことから、体内の総ホモシステイン量を減らす働きが確認された。なお、葉酸にはこの作用はなかった。 これにより、ベタインはメチオニン摂取後の血漿中のホモシステイン値上昇を抑制する働きが確認できる。 【健康な人のベタイン経口摂取は、血中のホモシステイン濃度とベタイン濃度に対して直ちに用量依存的に影響する。】 (American Society for Nutrition J. Nutr. 136:34-38, January 2006) ベタインはホモシステイン代謝と関係があり、3ヶ月間のベタイン摂取は正常血中ホモシステイン濃度を低下させることが確認されている。 本試験ではベタインの薬物動態と、ベタインを経口摂取した場合の総ホモシステイン濃度に対する直接的な影響について調べた。 健康な10人のボランティア(男3、女7)にベタインをそれぞれ、“1g”、“3g”、“6g” 摂取させ、24時間の血液サンプルと24時間の尿採取を行った。 その結果、3gと6gの単回投与では、2時間で血漿中ホモシステイン濃度の低下が見られた。しかし、1gではその作用は確認出来なかった。 また、6g投与の場合、24時間にわたってホモシステイン濃度は低値を示した。 このホモシステインレベルはベタインの摂取量と比例し、ベタインの単回投与でも、ホモシステインレベルを低下させる働きが確認された。 その他、肝臓に対する有効性も示されています。 ○肝臓に対する働き 【ベタイン、非アルコール性脂肪性肝炎に対する有望な物質】 (Am J Gastroenterol. 2001 Sep;96(9):2534-6.) 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者には、今のところ有効な治療法はない。 ベタインは、S-アデノシルメチオニン(SAM)濃度を高めることにより、肝臓での脂肪変性を減少させることから、ベタインの肝臓に対する安全性と有効性を調べるための試験を行った。 NASHの患者10人に対し、無水ベタインを1年にわたって1日2回摂取させた。7人が1年間摂取し、この治療中にAST(※1)、ALT(※2)が優位に低下した。 また、7人中3人は、AST、ALTレベルが正常値にまで下がり、その他3人は、50%以上の低下が確認された。なお、1人だけは、基準からの変化が見られなかった。 また、摂取期間が1年に満たなかった患者でも、摂取中には減少(ALT39%、AST38%)が認められた。 これにより、ベタインは安全性が高く、生物学的、組織学的に見てもNASHの改善に有効であることが確認でき、より詳しく研究するに値する。 ※1. AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ): 肝細胞、心筋、骨格筋などに存在し、細胞が破壊されることで血液中に流出する。肝細胞の障害の程度を確認する指標となる。 ※2. ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ): 主に肝細胞に存在し、肝細胞が破壊されることで、血中へ流出する。肝細胞の障害の指標となり、特にALTが高い場合脂肪肝が疑われる。 また、非アルコール性脂肪性肝炎患者200人を対象にして行われた二重盲検試験、及びアルコール性脂肪性肝炎についての試験でも、肝保護作用があることが確認されています。 (Arzneimittelforschung. 2000 Aug;50(8):722-7.) (J Hepatol. 2007 Feb;46(2):314-21. Epub 2006 Oct 26.) (Am J Clin Nutr. 2004 Sep;80(3):539-49.) その他、現在では、インターフェロンとの併用によるC型肝炎に対する有効性(第III臨床試験)、高シュウ酸尿症に対する有効性(第II臨床試験)を確認する臨床実験も始まろうとしています。 http://www.clinicaltrials.gov/ct/show/NCT00310336?order=2 http://www.clinicaltrials.gov/ct/show/NCT00283387?order=1 ◆まとめ年齢とともに起こる血管系疾患に大きな影響を及ぼすホモシステイン。 ベタインは、ビタミンB群とともにこのホモシステイン濃度を低く抑える作用があり、また脂肪性肝障害に対する働きも期待できそうです。 健康的な生活習慣を実践しながら、生活習慣病の予防に上手にベタインを利用していきたいものです。 <参考> PubMed http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=PubMed ベタイン(TMG) http://www.supmart.com/search/?cid=betaine |
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