テロメアを伸ばすアンチエイジングに期待の成分『TA-65』

今回は、細胞からの抗老化作用(アンチエイジング)が期待できるとして、アンチエイジングを専門とする医師の間で活用されているTA-65について掘り下げていきたいと思います。

 TA-65とは



TA-65は、中医学や漢方で薬草として活用されるアストラガルスから得られる成分(特許成分)です。
現在、テロメアと呼ばれる染色体の末端部分の長さが寿命や病気への罹患のしやすさの指標と考えられるようになってきていますが、TA-65は、このテロメアが短くなることを防ぐ働きをするテロメラーゼという酵素を活性化させることが示され、医療面での活用が進みつつあります。


 細胞老化とテロメア



ヒトの体は60兆個もの細胞からできています。
最初はたった1つの細胞から始まりますが、細胞分裂を繰り返すことで特定の機能を持つ細胞へと変化していきます。
細胞分裂は常に行なわれていますが、器官や種類によって細胞が細胞分裂できる回数が決まっています。
そして、一定回数まで細胞分裂が行なわれると分裂は止まり、細胞機能が低下してアポトーシス(自己死)へと誘導されます。
※細胞は分裂するたびに、同じ遺伝子型をもつ新しい若い細胞を作ることができますが、分裂が止まれば新しい細胞が作られることもなくなります。

この細胞分裂の回数を決定しているのが、染色体の末端に存在し、特殊な構造を持つ「テロメア」と呼ばれる部分です。テロメアとは、ギリシャ語で“末端”と“部分”を意味しています。
染色体は、遺伝情報を持つDNAの2重らせん構造が幾重にも折り重なってできており、その染色体の先端部分にあるテロメアは、固有の塩基配列が何度も繰り返されることでDNA鎖がループ(輪)構造となり、まるでキャップのような形を作っています。
このテロメアの構造により、染色体同士がくっついたり、2重らせん構造がばらばらにほどけてしまうといったことが起こるのを防いでいると考えられています。
※寿命のカギを握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みを発見したブラックバーン博士は、テロメアを「靴ひもの先端」に例えています(先端のビニール製の止め具がなくなると、ひもの糸がばらばらにほどけてしまうからです)。

細胞分裂が行なわれるたびにDNAは複製されていきますが、テロメア部分に関しては、完全な複製が行なわれず徐々に短くなっていきます。そして、テロメアが一定の短さになると、細胞分裂が止まります。
現在では、テロメアの長さが寿命や病気への罹患のしやすさに関する指標とも考えられるようになっています。

実際、2007年にイギリスで行なわれた中高年の男女1500人を対象にした研究では、テロメアが最も短いグループは、テロメアが最も長いグループに比べ、5年以内に心臓病を発症する確率が2倍であるという結果が示されています。
また、高脂血症、高血圧、糖尿病、慢性的なストレス、運動不足、喫煙などの心臓疾患のリスク要因が、テロメアを短くすることもわかってきています。
(Dtsch Med Wochenschr. 2011 Sep;136(38):1913-6. Epub 2011 Sep 13.)
(Occup Environ Med. 2011 Aug;68(8):582-9. Epub 2011 May 2.)
(Lancet. 2007 Jan 13;369(9556):107-14.)


 テロメア伸長の鍵:テロメラーゼ



通常の細胞のテロメアは細胞分裂のたびに短くなっていきますが、生殖細胞では分裂が繰り返されてもテロメアは短くならず、一定の長さを持ったテロメアが子孫に伝えられていきます。
このテロメアが短くならないようにするものが“テロメラーゼ”と呼ばれる特殊な逆転写酵素の活性であることが、新たに発見されています。
テロメアが短くなっていくことを防ぐことができれば、細胞老化を抑えることができるのではないかと期待されているのです。
※ただし、ガン細胞でもテロメラーゼの活性が起きていることから、単にテロメラーゼを活性化すればよいということにはなりません。
現在では、がん細胞でのテロメラーゼの阻害に着目した薬の開発も研究されています。


 テロメラーゼ活性物質:TA-65



2011年4月14日に発行された科学雑誌“Aging Cell”に、アストラガルスから抽出された特許成分TA-65が、テロメラーゼを活性させるという論文が掲載されました。

スペインマドリードのNational Cancer Research Centre(CNIO)で行なわれた研究で、TA-65がマウスの胚繊維芽細胞でのテロメアを伸長し、短いテロメアとDNAダメージ割合を減少させたことが認められています。
このことから、TA-65がテロメラーゼを活性させていることが示唆されています。
また、TA-65を餌に混ぜてマウスに与えたところ、普通食を与えられたマウスよりも、短くなったテロメアの伸長とDNAダメージの回復、メスマウスでの耐糖能、皮膚弾力、骨粗鬆症といった老化関連状況が有意に改善されていることが確認されています。
(Aging Cell. 2011 Aug;10(4):604-21. doi:10.1111/j.1474-9726.2011.00700.x. Epub 2011 Apr 14.)

さらに、ヒトに対して1年にわたって114人にTA-65を1日1回、5〜10mg摂取させる、パットンプロトコール-1と呼ばれる試験では、血液、免疫系細胞態、免疫細胞のテロメアの長さなどが調査されました。
また、血漿中と類似させた環境にした場合の培養ヒト細胞に対するTA-65の作用なども調べられています。

<パットンプロトコール-1>
(Rejuvenation Res. 2011 Feb;14(1):45-56. Epub 2010 Sep 7.)
〔期間〕 2007年1月から2009年6月
〔参加人数〕 114人
〔平均年齢〕63±12
〔男女比〕男72%
〔データ収集〕医師による問診、血液検査
〔データ収集時期〕試験開始前 開始後3,6,9,12ヶ月
〔摂取〕TA-65(アストラガルスの根から単離された95%以上の単一成分)
〔摂取量〕1日5〜10mg
〔結果〕
・短いテロメアを持つ細胞の割合が低下
12〜18ヶ月後で、スタート時点よりも白血球で短いテロメアの割合が減少。
・免疫機能の効果的な再構築
サイトメガロウイルス陽性者で、老化した細胞障害性Tリンパ球が劇的に減少。
NK細胞も6ヵ月後に減少し、特にサイトメガロウイルス陽性者では、陰性者より劇的に減少。
好中球の数は、サイトメガロウイルス陽性者で、陰性者と同じように増加。

〔結論と考察〕
加齢とともにNK細胞や好中球などの免疫系細胞の数は増えるが、これは細胞の活動と防御機能の低下、および抗原の負荷が増加することに対する代償的な増加であることが知られている。
そのため、NK細胞が減少することは、NK細胞に実質的に若返りが起きていると考えられている。
TA-65は、ヒト培養細胞でもテロメラーゼを活性化させ、ヒトの血漿中濃度でも同じ濃度である。
摂取させた40%の対象者で平均テロメアが時間と共に長くなったが、全体の対象者では、極めてわずかではあるが、平均テロメアの長さに減少がみられた。
このことから、TA-65による活性化されたテロメラーゼは、短いテロメアを優先的に伸ばしていると考えられる。
また、この期間でのガン化などの副作用はない。

TA-65は「培養細胞、マウス、ヒト」でテロメラーゼを活性させ、テロメアを伸ばすことが確認されています。


 まとめ



TA-65による臨床試験はまだ1試験のみで発展段階といえますが、テロメラーゼを活性化し、かつテロメア伸長が確認できる物質の発見と活用方法が確立されたのは、極めて大きな成果でしょう。
細胞老化は、私たちの肉体の衰え、疾患リスクの向上に密接に関係しています。
テロメアが短い人は、長い人に比べさまざまな疾患にかかるリスクが高くなることも指摘されていることから、テロメアが短くなる速度を遅くすることは、健康的に年齢を重ねていく大きな助けになるといえそうです。
現在、TA-65は、アメリカで最先端の抗老化医学を研究する医師のもとで活用されています。



<参考>

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