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東アジア伝統の生薬『アストラガルス』

第14回の今回は、様々な分野で活用されている植物「アストラガルス」 について掘り下げていきたいと思います。

 アストラガルス(Astragalus membranaceus)とは



アストラガルスは、中国東北部朝鮮半島原産のマメ科の多年草植物。
高さ1m程にまで成長し、夏に黄色い花をつけることから日本ではキバナオウギと呼ばれています。
中国、韓国、日本の伝統医学では、様々な薬効を持つ重要な薬草として位置付けられており、某朝鮮王宮を舞台にした人気テレビドラマでも貴重な薬草として登場しています。

現在では、中国内蒙古、山西・黒竜江・河北省や韓国、ロシアなどで栽培され、日本でも漢方処方に多く使用されていることから、国内での生産を目指して北海道での栽培が進められています。

 使用部位と主要成分



○使用部位
アストラガルスの使用部位は「根」。
3〜5年程度生育した根を乾燥させたものや、蜜炙(乾燥させた後にハチミツを加え鍋で炒る)したものが使われます。

○活性成分
現在のところ、21種類の活性成分が確認されています。
formononetin、 2,4-dihydroxy-5,6-dimethoxyisoflavoneなどのイソフラボンやイソフラボン配糖体、astragaloside I〜VIII、soyasaponin Iなどのサポニンの他、グルコース、フルクトースがあり、最近の研究では、astragaloside IVが、主な活性成分であると考えられています。
(Drug Metab Dispos. 2006 Jun;34(6):913-24. Epub 2006 Feb 28.)
(J Chromatogr A. 2003 Apr 11;992(1-2):193-7. )
(Planta Med. 2006 Jan;72(1):4-8.)


 生薬としての歴史



アストラガルス生薬名は、「黄耆(オウギ)」。
※英語では「Radix Astragali」と記され、まさにアストラガルスの“根”を意味しています。
薬草としての利用の歴史は古く、紀元2世紀頃に編纂された中国の最古の生薬辞典、「神農本草経」 でも記載がある他、「本草網目」 では、“諸虚を補う、元気を益す、脾胃を壮にする、肌熱を去る、排膿し、痛みを止める。血を生かし血を生じ、膿を取り去る” といった様々な働きをもつ薬草として記述され、「薬徴 (日本の古方派の書物)」 では、“補気升陽・固表止汗・利水消腫・托毒排膿(気を補い、体表部の水の滞りをさばき、体表部の痛みや腫れをとり、尿量を増やす)” 働きがあるとして、様々な漢方処方に用いられています。

このように、東アジア伝統医学で重用されてきたアストラガルスは、免疫賦活作用や抗がん作用などに対する有効性を示す文献が発表されていることから、代替医療への関心が高まっている欧米でも注目され、米国では 「滋養強壮や免疫機能活性」などに対する働きを期待するサプリメント成分としても利用されています。


 最近の研究



欧米で注目されるきっかけとなったがんに対する働きや、伝統的な使用方法に関連する有効性についての研究など、アストラガルスに関係する文献はPUBMED内で実に250以上も登録があります。
その幾つかをみてみましょう。

○がん治療における化学療法による副作用軽減作用
【悪性腫瘍患者での化学療法剤投与における有効性の向上と副作用軽減作用についての臨床試験】
(Zhongguo Zhong Xi Yi Jie He Za Zhi. 2002 Jul;22(7):515-7. )
120人の悪性腫瘍の患者を2群に分け、化学療法剤による治療とともに、アストラガルス注射液20mlを250mlの生理食塩水に入れ、21日を1クールとして4クール、1日1回点滴する群と対照群での比較を行った。
その結果、アストラガルス投与群は、対照群に較べ、CD8(※1)の低下とともに、末梢血の白血球と血小板数の減少が抑えられ(P<0.05)、CD4/CD8(※2)の向上(P<0.01)、IgG、IgMレベルの向上(P<0.05)とカルノフスキースコア(※3)の上昇が見られた。
これにより、アストラガルス注射液の投与は、化学療法時の副作用を軽減し、免疫機能を高め、がんの進行を遅らせ、患者のQOLを高めることが確認された。
※1 CD8:サプレッサーキラーT細胞の表面にある糖蛋白でできた抗原
     CD4:ヘルパーT細胞の膜表面にある抗原
※2 CD4/CD8:免疫抑制薬により低値を示す
※3 カルノフスキースコア:患者の生活における機能レベルの指標
  〔0%(死亡)〜100%(健常及び正常)まで、10段階で分類〕

また、上記文献の他、ヒト及びマウスの細胞を用いたインビトロ試験とマウスを使ったインビボ試験では、ホスト(宿主)の免疫機能の活性化による抗がん作用を示すものや、インビトロでの免疫賦活作用によるインターロイキン2投与時の副作用軽減が、がん患者やHIV患者の治療に役立つ可能性を示唆する文献もあります。
(Cancer Lett. 2007 Jan 12;)
(Zhonghua Zhong Liu Za Zhi. 1994 May;16(3):167-71.)

なお、HIVに対する効果については、アストラガルスとその他の生薬を組み合わせて使用した臨床試験で有効性が認められたという発表がある一方、西洋薬的な使用方法では有効性が確認出来なかったとするものもあり、更なる研究が必要であると考えられます。
(Cochrane Database Syst Rev. 2005 Jul 20;(3):CD003937.)
(J Med Assoc Thai. 2004 Sep;87(9):1065-70.)
(J Acquir Immune Defic Syndr. 1999 Sep 1;22(1):56-64.)

○循環器系に対する働き
【アストラガルスのアストラガロサイドIVがもつインビトロ、インビボでの冠動脈虚血時での心保護作用】
(Planta Med. 2006 Jan;72(1):4-8.)
アストラガルスは中国では循環器疾患によく用いられ、その主な活性成分はアストラガロサイドIVである。しかし、アストラガロサイドIVの冠動脈虚血に対する効果やメカニズムは明らかになっていないため、インビトロ、インビボで心筋梗塞と冠動脈血流に対する働きと、その抗酸化作用、NO産生について調べた。
その結果、アストラガノサイドIVは、冠動脈を結紮したイヌでの心筋の梗塞範囲を優位に減少させた。また、インビトロでのラットの心臓では虚血後の心筋機能、及び再灌流性不整脈を改善した。このアストラガロサイドIVの心保護作用は、インビボ、インビトロとも、冠血流量の顕著な増加を伴うものであった。
一方、NO産生阻害剤(Nomega-nitro-L-ariginine methy ester)は、アストラガロサイドIVの心機能保護作用を部分的に阻害した。
また、アストラガロサイドIV投与時には、心筋抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼ活性が増大したことから、アストラガロサイドIVの心筋虚血に対する有効性は抗酸化作用とNO産生特性によると推定される。

【拡張型心筋症に対する相補的治療における考察】
(Zhongguo Zhong Xi Yi Jie He Za Zhi. 2001 Apr;21(4):254-6.)
<拡張型心筋症に対する生薬と西洋薬を組み合わせた治療>
生薬と西洋薬を組み合わせたグループ(TCM-WM)164人と、西洋薬のみを用いたグループ(WM)156人の2グループに分けて治療を行ったところ、TCM-MW群はWM群よりも優位に臨床的症状と心機能の改善が見られた。
これらの2つの群での総死亡例は同じ数であるが、3〜6ヶ月以内での死亡例はTCM-WMの方がWM群よりもはるかに少なかった。
また、1年以上TCM-WM群を続けた患者での1年経過時の死亡例はわずか1例であり、これは3〜6ヶ月間のみTCM-WMを続けた患者の中での1年経過時の死亡例(11例)よりもはるかに少ない。
これにより、TCM−WM治療は、他に選択肢が無い拡張型心筋症の治療の選択肢として受け入れられるものと考えられる。
なお、西洋薬には利尿薬、血管拡張薬、タウリン、CoQ10、抗不整脈薬、ベータブロッカーを使用。生薬にはアストラガルスを含む生脈散注射を使用した。

上記の他、冠血流量の増加や心保護作用(ラットでの試験)、試験的に動静脈瘻(※4)を作った心疾患ラットでの心機能と腎機能の向上によるナトリウムと水分貯留の改善を示す文献もあります。
※4 動静脈瘻:動脈と静脈が直接つながっている状態。臓器や組織を介さず、動脈から静脈へと血液が流れることで、血圧が低下し心臓に負担がかかり心不全を引き起こす。
(Planta Med. 2006 Jun;72(7):621-6. Epub 2006 May 29.)
(Chin Med J (Engl). 1998 Jan;111(1):17-23.)

上述の強心作用と利尿作用を示すデータは、古くから伝えられているアストラガルスの薬効を裏付けるものです。

その他、アストラガルスが持つとされる炎症作用に対する働きを研究した文献では、炎症反応に関係する5-リポキシゲナーゼ阻害や、NF-kappaB活性と内皮細胞密着分子の発現の阻害などの炎症抑制メカニズムが確認されています。
(J Pharm Pharmacol. 2003 Sep;55(9):1275-82)
(Thromb Haemost. 2003 Nov;90(5):904-14.)

また、アストラガルスは下記のような研究で安全性が確認されています。

【ラットとイヌにおける黄耆の亜急性毒性についての研究】
(J Ethnopharmacol. 2007 Mar 21;110(2):352-5.)
黄耆(アストラガルスの根)の亜急性毒性と安全な摂取量について、ラットとイヌを用いた臨床試験を行った。
腹腔内注射または静脈注射によって3ヶ月間毎日投与し、食物摂取量、行動、体重、血液状態などについて、実験群と対照群を比較したところ、体重、主臓器、血液検査数値については、実験群、対照群に差は見られず、黄耆は重篤な副作用を起こすことのない安全な生薬であるということが認められた。
また、安全性が確認された投与量は、ラットでは、2.7g〜39.9g/kg、イヌでは、2.85〜19.95g/kgであり、ヒトでの平均的な摂取及び投与量(70kg体重の場合での通常量0.57g/kg)の75〜35倍に換算される。

なお、「The American Herbal Products Association」 でも、アストラガルスは「(適切に使用する場合) 安全なハーブ」 であると位置づけられています。


 まとめ



様々な働きをもつとして、数世紀にわたって使われてきたアストラガルス。
免疫力を高めたり、強心、強壮作用があることは明らかとなっており、東アジアだけでなく欧米でも人気が高まっていることにも納得できます。
また、安全性についても確認されていることは、私たちが活用するに当たって大変喜ばしく、今後も上手に利用していきたいものです。

<参考>
PubMed
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=PubMed

アストラガルス
http://www.supmart.com/search/?cid=astragalus



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