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皮膚の健康を助けるビタミン『ビオチン』

今回は、身近な必須ビタミンでありながら、近年、そのビタミンとしての働きを超えた作用にも注目が集まるビオチンについて、掘り下げていきたいと思います。

 ビオチンとは



ビオチンは、ビタミンH(Haut;ドイツ語で「皮膚」を示す単語から)とも呼ばれていた、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンです。糖、脂肪酸、アミノ酸などの代謝に関わる酵素の、補酵素としての働きがあります。
欠乏すると皮膚炎などが生じるため、皮膚の健康には欠かせないビタミンと位置づけられており、日本では皮膚のための治療薬として使用されている他、食品添加物としての使用も限定的(保健機能食品のみ)に認められています。


 ビオチンの発見と研究の歴史



ビオチンに関する研究は、ベルギーのWildiersらが1900〜1906年に渡って行なった研究で「酵母の成長因子」として発見し、これを“Bios(ビオス)”と名付けたことが始まりです。
また、この発見とは別に、1927年、イギリスのBoasが、非加熱の乾燥卵白をタンパク源として与え続けたラットに皮膚炎や脱毛、痙攣が起こり、最終的に死亡してしまった「卵白障害」に着目して、この卵白障害を防ぐ物質を“Protective factor X”として発表しました。
さらに、1931年には、Gyogyがこの卵白障害防御因子を「ビタミンH」と命名し、1937年にはKoglとTonnisが、500ポンド(約227kg)以上の卵黄から1.1mgのビオチンの単離に成功、1941年にdu Vigneaudらによってその構造が決定され、最終的に、酵母の成長因子と卵白障害防御因子は同一のものであることが確認されました。

このような発見の後、ビオチンの細胞レベルでの働きが明らかにされていきます。
1950年には、ビオチンは多くの酵素反応に関わることがわかり、オキサロ酢酸やコハク酸の脱炭酸反応(ピルビン酸のカルボキシル基化、アスパラギン酸の生合成、不飽和脂肪酸の生合成)にも関係することが確認されました。
現在では、これらの反応過程で働くカルボキシラーゼと結合した二酸化炭素の担体としての機能があることも知られています。

(Biochem J. 1927;21(3):712-724.1.)
(Science. 1938 Nov 18;88(2290):475.)
(Biochem J. 1987 February 1; 241(3): 677-684.)
(J Biol Chem. 2004 Sep 17;279(38):39187-94. Epub 2004 May 27 )


 ビオチンの吸収と働き



○吸収
ビオチンは卵黄やレバー、大豆など幅広い食品に、タンパク質と結合した状態で含まれています。
タンパク質と結合した状態のビオチンはそのままでは吸収されず、すい臓から分泌されるビオチニダーゼという酵素によってタンパク質から遊離された後、能動輸送によって主に空腸(小腸の一部)から吸収されます。
血液中に移行したビオチンは、輸送タンパクでもあるビオチニダーゼと結合して運搬され、細胞内へ取り込まれてから細胞質器質とミトコンドリア内で代謝に関わります。
また、ビオチンは腸内細菌によっても合成され、吸収されます。この場合のビオチンは、タンパク質とは結合していない単体であるため、そのまま大腸から吸収されます。

○補酵素としての働き
ビオチンは、炭酸固定と炭酸転移に関わる下記の4種の酵素の補酵素として、脂肪酸、アミノ酸の代謝に関わります。

β-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ(MCC):ロイシンの異化経路
アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC):脂肪酸合成(脂肪酸の伸長)の律速酵素
ピルビン酸カルボキシラーゼ(PC):糖新生系の律速酵素
プロピオニルCoAカルボキシラーゼ(PCC):バリン、イソロイシン等のアミノ酸異化経路

その他、核酸の生成に関わる酵素の補酵素としても働き、細胞の合成を促進させます。


 ビオチンの不足



様々な食品に含まれることや、腸内細菌によって合成されることから、ヒトにおいてビオチンが不足することは稀であるとされてはいるものの、特殊な食事や抗生物質の服用などにより欠乏する可能性は指摘されています。
動物実験などにより、ビオチンの不足や欠乏は、脱毛、皮膚炎、食欲不振、発育遅延、運動失調、筋肉痛、痙攣といった様々な症状を引き起こすことが明らかになっています。
また、先天性代謝異常症のビオチニダーゼ欠損症や、ビオチン依存性のカルボキシラーゼ欠損症によるビオチン欠乏でも、上記のような症状が認められます。

なお、母体のビオチン欠乏が及ぼす胎児への影響を調べたところ、マウスでは口蓋裂の発症、ラットでは形態形成異常はないものの、死産が増えることが報告されています。

○ビオチン欠乏と皮膚疾患
ビオチン摂取不足の乳幼児に皮膚炎や湿疹が起こりやすくなることが確認されたため、日本では1970年から、急性・慢性湿疹、小児湿疹、脂漏性湿疹、ニキビ改善薬としてのビオチンの使用が認められています。
また、近年、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の原因となる食物を除去する「アレルゲン除去食」の継続的な摂取がビオチン欠乏を引き起こし、皮膚炎を悪化させることが報告されています。

【ビオチン欠乏症】
(Nutrition Support Journal 2005 Vol6 No.1)

症例1)11ヶ月の女児
母親にアトピー性皮膚炎があり、女児も生後1ヶ月で皮膚の湿疹を生じ、アトピー性皮膚炎と診断される。アレルゲン除去食とステロイドの外用剤で治療するも改善せず。ステロイド外用を止め、竹炭酢を入れて入浴させたところ、さらに悪化する。
食物アレルギーがあり、さらに血中ビオチン濃度も低いため、アレルゲン完全除去食に加えてビオチンを投与、さらにステロイド外用の再開と亜鉛化軟膏の塗布で徐々に症状は改善した。1年3ヶ月後には皮疹は完治し、アレルゲン除去食とビオチンの投与だけを継続している。

症例2)2歳6ヶ月の男児
兄にアトピー性皮膚炎があり、生後10ヶ月よりアトピー性皮膚炎として、全卵、牛乳、大豆、ゴマの除去食を行なっているが、単純疱疹、喘息発作が時折あり、全身に重度の皮膚炎が続く。
血中ビオチン濃度が低いため、ビオチンの投与を開始したところ、2週間後には著しく改善、1ヶ月後には湿疹は完治する。その後もアレルゲン除去食とビオチン投与を継続し、1年4ヵ月経過後も皮疹は見られず、単純疱疹、喘息発作も出ない状態が続いている。

これらの症例を報告した西原医師は、乳幼児の皮膚炎について、アトピー性皮膚炎だけが原因であるように見えても、その背景にあるアレルゲン除去食がビオチン欠乏を引き起こし、皮膚炎を助長させている可能性があることについて指摘しています。

なお、日本では、ビオチンは保健機能食品以外の食品へは添加が認められていないため、乳幼児用の調整粉乳やアレルギー治療用特殊ミルク等には添加されていません。
このことから、人工栄養児におけるビオチン欠乏が心配されています。

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【ビオチン欠乏による皮膚症状】
(Semin Dermatol. 1991 Dec;10(4):296-302.)
乳幼児および小児、成人における、ビオチン欠乏による皮膚症状について検証したところ、脱毛や典型的なうろこ状の皮膚、体の開口部周囲に紅斑のある皮膚湿疹などが起こることがわかった。
さらに、ビオチン欠乏による皮膚炎は、亜鉛欠乏に類似した湿疹も引き起し、皮膚の損傷部位でのカンジダ・アルビカンスの感染も認める。
なお、ビオチニダーゼ欠損症は、ビオチンの吸収や輸送が阻害されるためビオチン欠乏性の皮膚炎を引き起こす。
また、カンジダの感染は二次的に免疫機能に障害を与え、ビオチン欠乏性の皮膚炎を悪化させる。

先述の症例にも挙げたように、アトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症のある人は、疾患のない人に比べて血中ビオチン濃度が著しく低いことがあり、ビオチンの血中濃度を高くすることで、皮膚の炎症の軽減に役立つ可能性が示唆されています。
また、掌蹠膿疱症の治療に、通常の皮膚炎の治療量よりもはるかに多い量のビオチンを、特定の整腸剤と併用することで治療効果が見出せるとする前橋医師の報告や、扁桃摘出手術などの基本的な治療を行なっても改善しなかった掌蹠膿疱症の患者にビオチンを投与したところ、症状が改善したという西原医師の報告もあります。

さらに、ビオチン欠乏は免疫機能に対して影響を及ぼすことが確認されており、ビオチンはリンパ球の成熟と刺激に対する反応、それに付随する抗原抗体反応において、重要な役割を担っている可能性があることも報告されています。
(Am J Clin Nutr 1998;67:431-7)

皮膚炎の原因は様々ですが、ビオチンの不足も原因として考慮する必要があるかもしれません。


 ビオチンの薬理的応用



最近では、ビオチンには薬理的作用があるという報告もなされています。

○血糖値に対する働き
ビオチンとクロムの併用が、血糖コントロールに有効であることも示されています。

【血糖コントロール不良の2型糖尿病患者における、ピコリン酸クロムとビオチン摂取の血糖コントールに対する有効性:二重盲検法】
(Diabetes Technol Ther. 2006 Dec;8(6):636-43.)
前臨床試験において、ピコリン酸クロムとビオチン摂取が、骨格筋でのグルコースの取り込みを有意に増加させることを確認した。 本実験では、ピコリン酸クロムとビオチン摂取が、糖尿病治療薬を服用していても血糖コントロールが良好でない2型糖尿病患者の、血糖コントロールの改善に役立つかを検討した。

<方法>
血糖降下薬服用中で、かつ血糖コントロール不良の43人の患者(食後2時間の血糖値:200mg/dl超過、HbA1c7%以上)に、経口血糖降下薬の服用と並行して、1日600mcgのピコリン酸クロムと2mgのビオチンを4週間摂取させた。
<結果>
4週間後の糖負荷試験では、食後2時間のグルコースのAUC(血中濃度時間曲線下面積)は、プラセボ群に対して有意に低下していた。
摂取群:-9.7%、プラセボ群+5.1%(P<0.03%)
また、フルクトースアミン(P<0.03)、トリグリセリド(P<0.02)、TG/HDL比(P<0.02)についても、摂取群では有意な減少がみられた。なお、副作用はみられなかった。
<結論>
ピコリン酸クロムとビオチンの投与は、経口糖尿病治療薬服用中の血糖コントロール不良患者の、血糖コントロールの補助として有効であり、また脂質代謝においても有効である。

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なお、糖尿病のある人は、健康な人に比べて血清ビオチンレベルが低い傾向にあり、血清ビオチンレベルが低下すると血糖値が上昇することが確認されています。よって、糖尿病のある人にビオチンを大量投与すると、血糖値が低下することも認められています。

この他、ラットを用いた実験では、ビオチンがインスリン分泌に対しても重要な役割を持つことや、糖新生、糖分解酵素だけでなく、糖脂質代謝に関連する転写因子の発現を調節し、糖新生遺伝子発現を抑える特定の転写因子の発現を減少させることも認められています。

(J Nutr Biochem. 1999 Apr;10(4):237-43.)
(Biosil. Biotechonol. Biochem., 72(5)、1290-1298,2008)
(J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 1996 Dec;42(6):517-26.)

糖尿病の治療薬というわけではありませんが、糖代謝に対する有効性は確かなようです。
血糖コントロールの一助として、今後試用されていくかもしれません。

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○血圧上昇抑制、高血圧に対する働き
東北大学の研究者によって、ビオチンの血圧に対する働きが報告されています。

【ビオチンの脳卒中易発症性高血圧自然発症(SHRSP)ラットにおける血圧降下作用】
(Br J Nutr. 2008 Apr;99(4):756-63. Epub 2008 Jan 8.)
ビオチンの高血圧に対する薬理学的作用を、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラットを用いて調査した。
ビオチンを長期摂取させたところ、収縮期血圧が低下し、また、単回投与によっても低下することが確認された。
なお、ビオチンの血圧抑制作用は、グアニレートシクラーゼ阻害剤(1H-[1,2,4]oxadiazole [4,3-alpha]quinoxalin-1-one)よって阻害されたが、NO合成阻害剤(NG-nitro-l-arginine methyl ester)では阻害されなかった。
また、冠状動脈血管壁の肥厚が抑えられ、脳卒中発作が抑えられた。
これらの結果は、薬理学的量のビオチン投与が、NOを介さず可溶性グアニレートシクラーゼを直接活性化することで、血圧を低下させる作用をもたらすと示唆される。

現段階の有効性については動物実験のみの言及に留まりますが、この血圧に対する作用については、日本薬理学雑誌でも、下記のタイトルで取り上げられています。
【ビオチンの薬理量摂取による高血圧上昇抑制効果の解析】
(日本薬理学雑誌. 2008年4月;131(4):248-51.)


 まとめ



通常の食生活を送っていれば不足することはないと考えられてきたビオチンですが、特殊な食事や抗生物質などの影響、さらに様々な要因で体内量が不足する可能性があることがわかりました。
不足することはないと考えられてきたからこそ、それが原因となって健康に影響を及ぼしている可能性は見過ごされがちです。 水溶性ビタミンであり、多めに摂取しても過剰摂取となる可能性は低いと考えられる比較的安全なビタミンであること、また、積極的摂取による健康に対する有効性も期待できることから、健康維持サポートに、しっかりとビオチンを補給したいものです。


<参考>

イングリディエンツ・ラボ