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抗酸化と脳機能への働きに注目が集まる『ローズマリー』

今回は、古くから食用や民間療法、アロマテラピーなどに幅広く活用され、現在はその科学的応用への研究が進むローズマリーについて、掘り下げていきたいと思います。

 ローズマリーとは



ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)は、地中海地方を原産とするシソ科の常緑低木です。高さは1〜2m程度、細い枝の周りに硬い針状の葉を対生させ、品種にもよりますが4〜6月に青みがかった薄い紫色の花をつけます。ラテン語で「海のしずく」を意味する“Rosmarinus”という単語を学名にもちますが、これは海辺でよく育つからとも、花の色からともいわれています。
比較的乾燥に強く、生葉や乾燥葉が料理の風味や食用油、ビネガーの香り付けなどに使えることからガーデニング素材としても人気があり、今では世界各地で広く栽培されています。
日本にも江戸時代の後期に渡来し、明治4年には小石川の薬園(現在の小石川植物園)で栽培されていた記録が残されています。

独特の芳香をもつローズマリーは、ヨーロッパでは古くからエキスやハーブティー、精油など、様々な形で親しまれてきました。
地中海地方では伝統的に、ローズマリーのエキスやハーブティーを胃腸のトラブルや消化不良、駆虫目的に使用していました。また、エキスは葉を蒸留して得られるエッセンシャルオイル(精油)とともに、スキンケア用品や外用薬として、民間療法的に使用されてきた歴史をもちます。
ローズマリーの精油は、現在でもアロマテラピーで大変ポピュラーに用いられますが、以前は香水や薬、呼吸器系の抗菌目的でも使用されていました。

古来より愛用されてきたローズマリーについての代表的なエピソードに、ハンガリアンウォーターがあります。14世紀、70歳を超えたハンガリー王妃が、ローズマリーを主要成分としたチンキを使用して美と健康を取り戻し、隣国ポーランドの若き王子に求愛されたというものです。
以降、ハンガリアンウォーターは“若返りの水”として、さまざまな用途で使用されることになりました。

その他、乾燥葉をオリーブオイルなどに混ぜて外傷や関節リウマチ、筋肉痛の緩和目的に使用するなど、ローズマリーには民間療法的な使用方法が数多くみられます。
(A Guide to Medicinal Plants in North Africa 235-237)


 ローズマリーについての研究



様々な形で伝統的に使用されてきたローズマリーですが、科学的応用への可能性を示唆する研究も多く報告されています。

○皮膚に対する働き
ロレアル社(フランス)は、ローズマリーエキスの紫外線による皮膚ダメージ抑制効果を報告しています。
紫外線による皮膚の老化促進は、細胞レベルでのダメージによって生じます。
紫外線を浴びると、皮膚の細胞で、皮膚のタンパク質を分解する酵素「マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP-1)」の発現が促進されます。このためにタンパク質であるコラーゲン(主にI型とIII型)の分解も促進されますが、ロレアル社では、ローズマリーエキスが紫外線照射によるMMP-1の合成に関わる遺伝子転写の進行を抑制することで、タンパク質の分解を防ぐことを確認しました。
さらに、三次元培養皮膚モデル上でも、紫外線による皮膚老化の抑制が認められました。
つまり、ローズマリーエキスには、細胞内の遺伝子発現調節という分子レベルのみならず、皮膚組織そのものにおいても皮膚老化を防ぐ働きがあることが示されたといえます。

また、ローズマリーエキスには抗菌作用があることも示唆されています。
黄色ブドウ球菌はヒトや動物の皮膚、消化管内などの体表面に常在し、皮膚の化膿症や皮膚・軟部組織感染症(SSTI)などの原因になる菌ですが、ローズマリーエキスは、この黄色ブドウ球菌に対して抗菌作用があることが示されています。

さらに、ローズマリーの精油が傷の治癒を早めることも報告されています。
人工的に傷を作り、傷が治りにくい状態にしたラットに、ローズマリー精油、水、何も塗らない場合、ローズマリーの精油を塗布したラットの傷の治癒が最も早かったことが確認されています。
(Eur J Dermatol. 2008 Mar-Apr;18(2):128-35.)PMID  18424370)
(J Ethnopharmacol. 2008 Aug 13;118(3):418-28. Epub 2008 May 13.)
(J Ethnopharmacol. 2010 Sep 15;131(2):443-50. Epub 2010 Jul 13.)PMID  20633625

ハンガリアンウォーターのように、民間療法的な使用実績があるローズマリーのエキスや精油。「若返り」を期待して使用することはできませんが、肌老化を抑える一定の効果は見込めそうです。
ただし、高濃度のエキスや精油は、皮膚に塗布すると皮膚炎が生じるという報告もあります。皮膚に使用する場合は、薄めて使用するなど十分な注意が必要です。


 ローズマリーの活性成分についての研究:カルノシン酸



ローズマリーには、香りの元である1,8シネオール、カンファー、ボルネオール、酢酸ボルニル、α-ピネンをはじめ、抗酸化成分として知られるカルノシン酸やカルノソール、ロズマリン酸などのフェノール性ジテルペノイドなど、さまざまな成分が含まれています。
この中で最近特に注目されているのが、高い抗酸化作用を示す主活性成分の1つ、カルノシン酸です。
現在、加齢や老化に伴って生じる疾患の大きな要因の1つに「酸化」があると考えられていますが、この酸化に対するカルノシン酸の有効性についても、いくつかの報告がなされています。
(The EFSA Journal(2008)721,1-29)

○認知機能に対する働き
加齢は、脳を含め全身の機能低下をもたらします。特に脳機能は高齢になるほど衰えが顕著になり、日常生活に支障をきたすこともあります。実際、加齢による記憶力の低下などは経験的に認められていることですが、これは脳の神経細胞(ニューロン)の伸長が鈍くなり、ニューロンのネットワークが構築されにくくなるためと考えられています。

カルノシン酸には脳機能を改善する効果が期待できるとした報告があります。
酸化や環境ストレスに対し、私たちは生体を防御するシステムを備えていますが、この防御システムに関わる調整役として、現在、核内転写因子“Nrf2”が注目されています。Nrf2活性を高めると、体内の抗酸化酵素および解毒酵素の誘導促進や皮膚損傷の治癒効果の向上などがみられることから、Nrf2は様々な疾患や老化の予防に重要な役割を果たしていると考えられています。
ラットの脳の神経細胞株を用いたNrf2活性の実験では、Nrf2の活性を抑制した細胞株では神経突起は伸長せず、一方、Nrf2の活性を高めた細胞株では神経成長因子の生成が高められ、これにより神経突起が伸長してニューロンネットワークが構築されることが確認されました。
近年、カルノシン酸にはこのNrf2に対して強い活性作用があることが示され、脳機能の維持、向上に役立つ可能性が指摘されています。

また、ラットにカルノシン酸を与えてから脳を虚血状態(いわゆる脳梗塞)にしたところ、血液が届かなかった脳細胞に対するダメージが抑えられることもわかりました。
これは、あらかじめカルノシン酸を与えることで脳細胞が保護されたことを示しています。
なお、このカルノシン酸の脳保護作用については細胞レベルでの研究も進められていて、カルノシン酸が脳で還元型グルタチオンレベルを高め、脳虚血による細胞ダメージを防ぐことも確認されました。

上記のようなカルノシン酸の働きは、認知症やアルツハイマー、パーキンソン病など、脳神経細胞の細胞死に関連する病気の予防や治療に応用できる可能性を示唆しているといえます。

その他、カルノシン酸そのものではありませんが、鳥取大学による中等度のアルツハイマー患者と認知症患者を対象とした臨床研究で、朝にローズマリーとレモンの精油、夜にラベンダーとオレンジの精油を香らせることで、認知機能とタッチパネル式テストで、認知力の向上が認められました。
さらに、特にアルツハイマー患者では、タッチパネル式テストで認知力が著しく向上したことも確認されています。
(J Neurochem. 2008 Feb;104(4):1116-31. Epub 2007 Nov 6.)
(Psychogeriatrics. 2009 Dec;9(4):173-9.)

カルノシン酸による脳機能の維持と保護作用、およびローズマリーの香りによる認知機能の向上サポートは、全く異なる作用機序ではありますが、ローズマリーの脳に対する働きについては今後さらに研究が進むものと思われます。

○がん細胞に対する働き
がん細胞は、私たちの身体の中で常に作られていますが、体内の免疫機能によってがん化する前にその芽が摘み取られています。高い抗酸化活性を示すカルノシン酸には、細胞ががん細胞へと変異するのを防ぐ働きに期待がもてるといえます。
また、カルノシン酸をがん細胞の血管新生抑制剤として利用するという試みも進められています。
がん細胞は、増殖・転移するのに必要な栄養を得る手段として、新たな血管枝を伸ばしてがん細胞への血管を作ります(血管新生)が、カルノシン酸はこの血管新生作用を抑制することが示唆されています。

また、ローズマリーエキスを用いた、がん細胞に対する増殖抑制効果を示した研究もあります。
この研究では、様々ながん細胞(肺小細胞がん:NCI-H82、前立腺がん:DU-145およびPC-3、肝細胞がん:Hep-3B、慢性骨髄性白血病:K-562、乳がん:MCF-7およびMDA-MB-231)に対し、ローズマリーエキスは比較的低濃度(12.5〜47.55mcg/ml)で高い抗がん作用を示すことが確認されました。

さらに、化学療法剤の働きを高めることも示されています。
カルノシン酸は、薬剤耐性をもつがん細胞に対し、がん細胞から抗がん剤の排出を促進するP-糖タンパク質の働きを阻害し、抗がん剤の働きを高めることがわかっています。

その他、急性骨髄性白血病モデルのマウスでは、ビタミンD製剤との併用でマウスの生存期間を延ばす働きが確認されています。
(J Agric Food Chem. 2010 May 12;58(9):5363-7.)
(Plant Foods Hum Nutr. 2010 Jun;65(2):158-63.)PMID: 20449663
(Pharmacol Res. 2010 Mar;61(3):259-63. Epub 2009 Nov 26.) PMID: 19944162 [PubMed - in process]
(Oncology. 2008;75(3-4):203-14. Epub 2008 Oct 14.)

がん細胞に対する予防的・抑制的な働きが期待できそうです。
その他、カルノシン酸本来の抗酸化作用によるLDLコレステロールの酸化や、脂質・タンパク質の糖化を防止する働き、また炎症を抑えるといった働きも報告されています。
(J Agric Food Chem. 2007 Apr 18;55(8):2884-91. Epub 2007 Mar 27.)
(Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Sep;71(9):2223-32. Epub 2007 Sep 7.)


 まとめ



伝統的に親しまれてきたハーブ、ローズマリー。
高齢化社会に生きる私たちは、加齢やそれに伴って生じる様々な疾患と、今後常に向き合っていかなければなりません。日本人の死因の1位を占める、がんの危険性も見逃すことはできないでしょう。
しかし、これらの疾患に対して、身近なハーブの利用可能性が吟味され、有効性が示されていくということは非常に興味深いことです。
この香り高いハーブが、美しく年齢を重ねていく一助になるかもしれません。
精油で香りを楽しんだり、料理の香り付けに使ったり、サプリメントで利用したりと、ローズマリーで暮らしをより健康的で豊かなものにしてみてはいかがでしょうか。


<参考>

イングリディエンツ・ラボ